「飲食店は将来が不安かも…」
「飲食=ブラックのイメージ!」
「飲食店で働いて成長できるの?」
飲食店に興味がある人やすでに働いてる人も、飲食店で働く正社員のホントのところを知りたくありませんか?
実は飲食店で働く正社員の多くがメリットに気付かないで辞めていきます。なぜならば飲食店の正社員は働き方がハード過ぎて気付く暇もないからです。
私は飲食業界歴20年。大学時代は飲食店で扶養から外れてアルバイト。卒業後は3つの会社の大小さまざまなお店で働き、現在はレストランのマネジャーとして正社員勤務。
おかげで、飲食店の正社員で働くメリットやデメリットが深く理解できるようになりました。
- 飲食店の正社員で働くメリットとデメリット
- 飲食店の正社員で働くことに迷った時の判断基準
【結論】飲食店の正社員はメリットもたくさん。働き続けるなら目標が必要。
この記事を読めば飲食店の正社員が、どんな風に仕事をしてどうやって成長できるのか分かります。
逆にこの記事で紹介するデメリットを知らないと、飲食店でキャリアを築けずに将来後悔します。ぜひ最後まで読んでください。
飲食は好きだから続けたいという人へのアドバイスもあります。
飲食店で働く正社員のメリット8つ
飲食店で働く正社員のメリットは以下の7つです。
- 生活は安定する
- 接客スキルが向上する
- 料理・お酒・外国語の知識が手に入る
- 若くしてキャリアアップできる
- 人材育成が上手になる
- 価値観が広がる
- 店舗経営を学べる
- やりがいが大きい
順番に見ていきましょう。
生活は安定する
時給で働くパートやアルバイトと違い正社員の生活は安定します。正社員には月額給与が支給されるからです。
飲食店は売り上げに対して人件費の割合が高いので、アルバイトの勤務時間を少なくして人件費をできるだけ抑えようとします。
一方正社員は月額給与が決められているので、
「今月あと○○時間働かなきゃいけない…」
「まだシフト入れるかな?」
という心配はなくなります。
正社員はアルバイトみたいに自由な働き方はできません。しかし生活の心配がなくなり思いっきり仕事に打ち込めます。
接客スキルが向上する
お客さんへの気配りや基本的な礼儀作法、言葉遣いなどの接客スキルが身に付きます。なぜならば飲食店には不特定多数のいろんな職業や年代のお客さんが来店するからです。
例えば予約段階で綿密な打ち合わせをして、細やかなサービスが求められる時があります。飲食店の正社員は先頭に立って、料理や飲み物を要望通りに提供しなければなりません。
食事会の幹事さんから、後日お礼の手紙やメールをもらうこともあります。
「次回もよろしくね」と指名されたら、今度はどんな風に接客しようかあれこれ考えて試行錯誤です。
こうして飲食店の正社員は、お客さんの要望に応えながら自然と接客スキルを磨くことができます。
料理・お酒・外国語の知識が手に入る
飲食店のジャンルごとにいろいろな知識が手に入ることもメリットです。
飲食店は一年を通して様々な食材を使った料理を提供。試作・試食を通して季節の食材や調理法の知識を学べます。
アルコールを提供するお店ならばお酒の知識も必須です。ワインや日本酒などを試飲してお酒の知識も得られます。将来ソムリエや利き酒師としてスキルアップすることも可能です。
コロナ後はインバウンド客が増えているので外国語の勉強にもつながります。フレンチレストランならフランス語、イタリアンならイタリア語。英語以外の言語を身につけるチャンスもあります。
飲食店の正社員はスキルアップできる機会が多いです。
若くしてキャリアアップできる
飲食店の正社員は若くしてキャリアアップできます。
経験やスキルを積めば店長やエリアマネージャーなどに昇格する機会が多いからです。
一般的な企業はマネジメントを任されるまでに数年かかります。しかし飲食店は入社1~2年目で部下やアルバイトをまとめなければなりません。入社後の早い段階で責任のあるポジションを任される貴重な体験ができます。
さらに多店舗展開している大きい企業ならば、新規店舗立ち上げに抜擢されることも。
飲食店の正社員は若いうちにいろんな経験をして、キャリアアップできることもメリットです。
人材育成が上手になる
スタッフの教育や研修を任されるのは、責任が重いですがとても大きなメリットです。
なぜならば教育する側も成長できて教え方がうまくなるから。
飲食店の仕事は向き不向きがあります。うまくいかないスタッフをどうやって一人前にするかは、研修する人の工夫次第。毎日の何気ない作業やオペレーションを考え直すきっかけになったり、人の長所を見つける訓練もできます。
新人教育の経験をたくさん積めて教え方がうまくなるのは、多くのスタッフを採用する飲食店の正社員だからこそのメリットです。
価値観が広がる
多くの人が働く飲食店では自分の価値観を広げることができます。
飲食店は一般企業よりも、さまざまな年代や立場の人がいるからです。
アルバイトやパートが多い飲食店では、正社員はスタッフ全員とコミュニケーションを取らなければなりません。そのため働きながら多様な価値観に触れることができます。
多くの人と時間を共有して価値観が広がるのは飲食店で働くメリットです。
出会いの数が多いので職場結婚もよく聞きます。
店舗経営を学べる
飲食店の正社員は、お店の売上・客数・食材・備品管理などの店舗経営を学べます。
実際に売り上げを立てて経営に関わることは、他業種だと普通の社員はタッチできない分野です。
将来独立するために飲食店で働く人は多いです。
飲食店の正社員は運営に関わることで、経営的な視点を身に付けられます。
やりがいが大きい
飲食店の正社員は店舗で働くスタッフ全員から頼られる存在。
キッチンもホールも社員もアルバイトも巻き込み、ワンチームでお店を回す達成感は大きいです。飲食店の正社員になってよかったと思える理由は、多少の大変さも吹き飛ぶくらいの充実感にあります。
年齢に関係なく上を目指せるチャンスがあり、飲食店の仕事には大きなやりがいを感じます。
飲食店で働く正社員のデメリット4つ
飲食店で正社員として働くメリットがある一方で、デメリットもあります。
飲食店で働く正社員のデメリット
- 人手不足の負担直撃
- ストレスが多い
- 労働時間に対して給料が安い
- 体が休まらない
それぞれ見ていきましょう。
人手不足の負担直撃
お店のアルバイトやパートが集まらなければ正社員に負担がかかります。なぜならば人手が足りないとトラブルが起きてクレームも発生するから。
通常営業をしながらクレーム対応はきついです。さらに人員が不足すれば休日出勤。通常業務は終わらず休憩時間返上で働かなければなりません。
飲食業界は人手不足なので、どうしてもお店の正社員に負担がかかってしまいます。
ストレスが多い
多くの人が働く飲食店は価値観が広がるメリットもありますが、同時にストレスもかかります。
人間関係が複雑なのでコミュニケーションをしっかり取らなければならず、調整役として疲れてしまうからです。いろいろな考え方を持った人がいるということは、スタッフ全員をまとめるのが大変ということでもあります。
飲食店の正社員は四方八方に気を使いストレスが多くかかるのです。
労働時間に対して給料が安い
飲食店は労働時間が長いです。サービス残業も多い業界。
飲食店の正社員はやりがいはあるものの、給料を時給に換算するとアルバイトの方が高い場合もあります。
以前の会社では時給で働くスタッフの方が社員より稼いでました。
飲食店の正社員になっても、長時間労働で給料が安いというのはデメリットです。
体が休まらない
飲食店の正社員は体が休まりません。
理由は
- 有休休暇取得率
- 年間休日総数
が全業界ワースト1位だから(厚生労働省の就労条件総合調査より)。
飲食店の正社員は休日出勤もして、休日も少なく自由に休みも取れません。
飲食店の正社員がきつい理由は、調査データや図表を使って別記事で分かりやすく解説しています。
飲食店正社員を迷った時の判断基準
飲食店で働く目的を明確にする
飲食店の正社員として働くのを迷った時の判断基準はこれです。
飲食店の正社員を続けるには明確な目的や目標が必要。ないなら飲食店はやめた方がいい。
飲食店の正社員で働くメリットは確かにあります。しかし飲食業界での志や目標、夢が明確でないならばメリットを生かせません。
なんとなく飲食店で働くのが楽しいからという理由はデメリットの方が大きすぎです。
逆に飲食店の正社員としてうまくいっている人は目的意識がはっきりしています。
飲食店で働く目的や目標を見つける方法
飲食店で働く目的や目標を見つけるためには、あなただけの強みを見つけてスキルを生かせる業種や会社を探す必要があります。
しかし一人で悩みや不安を抱えると、自分の強みや築いてきたキャリアが分からなくなります。
なぜならば飲食店はハードな働き方なので、じっくりと自分のスキルやキャリアを振り返る余裕がないからです。
アルバイトでも飲食店で働いているならば、何らかの強みが形成されています。
本人が気付いていないだけです。
とはいえ
- 「強みが思いつかない」
- 「たいした仕事してない」
- 「自己分析とか苦手…」
という人も多いです。
そんな方は第三者からの客観的な意見を取り入れると、意外に簡単に新たな自分の強みが浮き彫りになります。もし会社にプライベートも相談できるメンターのような先輩や同僚がいたら、素直に仕事の成果を聞いてみるといいです。
いなければ転職エージェントの力を借りるのもおすすめです。
転職エージェントの中には何が強みか分からない登録者にも、丁寧に面談をしてくれる所があります。自分のキャリアに不安のある方は第三者の視点であなた自身を分析してもらいましょう。