「飲食店でホワイトな企業ないでしょ?」
「ちゃんとした会社で働きたい・・・」
「地雷求人を踏みたくない!」
飲食業界には「この求人いいかも」と思っても、実はホワイトではない会社が多いです。
私も転職サイトから求人を選んでやっと入社したお店が、期待と違った経験があります。
しかし転職活動を重ね20年飲食業界で働くと、ホワイト求人の特徴や働かない方がいいお店の見分け方が徐々に浮かび上がってきました。
- 注意した方がいい飲食求人の特徴7つ
- ホワイトな飲食求人の特徴
- ホワイト飲食企業の見分け方
この記事を読めば、地雷求人を回避してホワイトな飲食へ転職するきっかけをつかめます。
本当にあなたが必要とされる心から働きたいと思うお店で活躍してください!
ホワイトな飲食求人が少ない理由
そもそも飲食業界にはホワイトな求人が少ないです。理由は2つあります。
いい求人はコネで決まるから
条件がいい求人はコネで決まることが多いです。
理由は飲食業が狭い世界だから。
例えばフレンチ、イタリアン、和食、中華というようにジャンルごとに分かれた人脈が存在します。
スタッフに空きが出たら、横のつながりですぐに情報が知れ渡り、求人が出る前に条件の良いポジションは決まるのです。
地雷求人が多い
飲食業界は狭い世界なので、転職サイトなどに掲載される求人は、既に仲間内や顔見知りの間で選考が終わっています。
人を探したにもかかわらず、決まらなかったわけです。
つまりネットの求人は、
- なりたがる人がいない求人
- とにかく頭数が欲しい兵隊集め
- 相当ハードルが高いポジション
のいずれかが多いです。
このようにして、そもそも飲食業にはホワイトな求人が少ないのです。
追い打ちをかけるように、飲食業は長時間労働と人手不足でいつもきつい状況。体力も気力も失ってなかなか転職活動を上手く進められません。
飲食業のきつい働き方と対処法は別記事でも解説しています。
注意した方がいい飲食求人の特徴7つ
ホワイト求人を見分けるために、注意した方がいい求人の特徴を7つお伝えします。
- どの媒体でもよく見かける(誰でもいい)
- 長い期間募集をしている(人が定着しない)
- 休憩時間がやたら長い(拘束時間はもっと長い)
- 営業時間に比べて労働時間が短い(本当は超長時間労働)
- 普通のことしか記載がない(アピールポイントなし)
- 求める人物像がお店都合(黙って働け)
- いずれは○○します(口だけ番長)
それぞれを詳しく見ていきましょう。
どの媒体でもよく見かける
2つ以上のサイトで同じ会社の求人を見かけたら要注意。とにかく誰でもいいから早く手数が欲しいお店に多いです。
現在そのお店で働いている人は、かなり負担を背負っていると想像できます。新しく人が来たら「辞めてやる」と考えてる可能性が高いです。
長い期間募集をしている
いつ見ても掲載されている会社のことです。
長期間募集すれば少しは人が集まります。にもかかわらず募集し続けているのは人が定着しないからです。トライアル期間で辞める人が多いと、長い間求人は掲載され続けます。
また今いるスタッフで工夫してお店を回すという、オペレーションの改善も期待できません。
人が定着しないということは、働き続けられない何らかの問題がお店にあるということです。
休憩時間がやたら長い
例えば「休憩時間はたっぷりの2時間」という求人は長時間労働の始まりです。本当に2時間休めるわけがありません。むしろ実際の休憩時間はもっと短く、終わらない仕事を仕方なく休憩時間にやっているのが飲食店の実情です。サービス残業が多い傾向にあります。
休憩時間が長い求人は、拘束時間が長いことをなんとかして隠したいだけです。
営業時間に比べて労働時間が短い
「9~23時でシフト制 実働8時間 残業あり」も注意しましょう。長い時間を通しで働かされます。想像するに8時~終電の日もあるでしょう。休日出勤もあるかもしれません。だいたい新規オープンのお店に多く見られます。
普通のことしか記載がない
「社会保険完備」や「年1回の健康診断」、「まかないあり」などは飲食店では普通の福利厚生です。
求人広告の営業担当者から、
「アピールポイントは他にないですか?」
と聞かれても思いつかないので、採用担当者が仕方なく書いてます。
思いつかないというか、
本当にアピールポイントがないのです。
健康診断は全額自費なのに「健康診断あり」と書かれていたこともありました。各々が勝手に自費で健康診断に行くことが「年1回の健康診断」だったのです。
応募する側は必死に自己㏚や志望動機を考えて転職活動に臨んでいます。にもかかわらず採用側にアピールポイントがなければ、候補者と釣り合うはずがありません。
あえて書く必要がないことが記載されていたら注意しましょう。
求める人物像がお店都合
例えば
「当店のスタイルに合わせて柔軟に働ける方」
「配属店舗により異なる」
といった表現です。
「黙って働け」という本心が出てしまっています。
既にお店で働いているスタッフがいなければ物事が進まなかったり、非効率な業務を行っているお店に多いです。
言われたことだけやればいいという考えなので、あなたの成長機会も失われます。
いずれは○○します
「人がそろったら○○やります」
「いずれは○○したいと思っています」
という記載がある会社は恐らくずっとやりません。
いわゆる口だけ番長。
やれるならとっくにやっているはずだからです。
入社後に相談したり、提案や要望を伝えたとしても
「やるやる、やるよ」
と言うだけで何もしない可能性が高いです。
逆にホワイトな会社は小さいことでも実績をアピールしています。会社が成長している姿が見えれば意識の高い人達が集まってきます。
ホワイト飲食求人の特徴
地雷が混在した求人サイトでベストな選択をするために、ホワイト求人の特徴をお伝えします。
- 福利厚生が充実
- 公平な評価制度がある
- 情報が開示されている
それぞれの詳細を見ていきましょう。
福利厚生が充実
社員の能力向上や健康を考えてくれている福利厚生のことです。
「年一回バーベキュー大会ありまぁ~す!!!」
とかではないです…
例えば研修制度があるかは重要です。スキルアップは一人でやっても限界があります。さらに会社に制度がなかったらプライベートな時間に自費でスクールに通う羽目になります。
他にも法定休暇以外の誕生日休暇(家族も含めて)や子育て支援のための休業制度は、社員の心身の健康を考えてくれている証拠です。
公平な評価制度がある
正当な評価制度があるかは求人でも確認できます。
しっかりとした評価制度があることで、モチベーションも上がり目標も設定できるのが良い点です。
キャリアアップして年収を上げたかったり、マネジメントに挑戦したかったら特に重要。
ホワイトな会社は評価制度が公平で透明性が高いです。
情報が開示されている
残業時間や有給取得率、年間休日数などが数字として書かれているならばとりあえず信用していいと思います。
なぜならばそもそも飲食業は有給取得率や休日数が他の業界よりも少ないので、多くのお店は求人募集に具体的な数字の記載はしないからです。
記載したら応募が来ないと知っています。
情報が開示されているということは、会社側が問題点を認識して改善しようとしている姿勢の表れです。
社員満足度を高める取り組みが数字で見えれば、その求人は前向きに検討しましょう。
飲食業界のおすすめ転職サイト
飲食業界特化の採用DXプラットフォーム「FoodsLabo」
ここまで注意した方がいい求人の特徴とホワイトな求人の特徴を解説しました。
募集企業が出している求人には情報量に限界があります。あとは直接自分の目で見て耳で聞いて確認しましょう。
次はホワイト企業かどうかの見分け方です。
ホワイト飲食企業の見分け方
ホワイトな飲食店の見分け方をお伝えします。
- 直接お店に行く
- 面接で聞く
- 自己分析
それぞれを見ていきましょう。
直接お店に行く
食べに行く
飲食業の転職の場合は、職場が飲食店なので直接お客さんとして食べに行って確認することができます。しかし相手は忙しい時でも落ち着いて接客する感情労働のプロ達です。お客さんとスタッフの関係では本当の所は分かりません。
おすすめは次の「下見する」です。
下見する
おすすめの方法は直接行って自分の目で確認することです。
住む部屋を借りる時、
検討中の物件を下見に行くのと
同じ感じだと思ってください。
手間と時間はかかりますが実態が見えます。働いているスタッフが何時に出勤して、昼休みはどこで過ごして、完全に電気が消えてお店からいなくなるのは何時くらいになるのか見に行くのです。
1日中お店の前にいなくてもいいです。求人を見て気になったところだけ。
- 本当は朝何時から動き始めるのか?
- 遅刻者がいるような会社なのか?
- ラストのスタッフは何時に鍵を閉めて帰るのか?
本当の出勤時間と退勤時間が分かります。
ランチ終わりで想定される昼休み時間に行くと、リアルな働き方が分かります。
例えばスタッフは外出して近くのコンビニのイートインスペースでずっと突っ伏して寝てるとか・・・。
自分が働いたらどんな毎日になるのかリアルに想像しましょう。
決定権者の面接官はこの辺のリアルな情報を知りません。知られたら都合の悪いことは伝えませんから。
自分の目で見に行くと求人では想像できなかったことが見えてきます。
面接で聞く
面接で聞くといいポイントをまとめてみました。
時間が限られているので事前に質問する内容を準備しておきましょう。
前任者が辞めた理由
ホワイトな会社なら明確に理由を教えてくれます。はぐらかされたら怪しいです。
あなたが、うつ病で自殺した前任者の後任になる可能性もあります。
直接的な表現で質問できなければ、
「求められる役割を知りたいので前任者がどんな方だったか聞いてもいいですか?」
で辞めた理由も自然に聞き出せます。
この質問でおよその定着率も見えてきます。
勤怠管理
残業や長時間労働が気になるならば勤怠管理を聞きましょう。タイムカードやPC管理、手書きなどいろいろあります。面接終盤に
「1日の動き方はどんな感じですか?」
と質問するのがいいです。
さらっと出退勤の方法を質問しましょう。勤怠管理がしっかりしていないなら要注意です。
業績が上がっているか
業績が上がっているとお店の雰囲気が良くて人間関係もいい状態なので、ストレスなく仕事に集中できます。実際に働かなくてもどんな職場環境かを知る手掛かりになります。将来性もしっかりチェックしましょう。
儲かってるかどうかを聞くのは気まずいかもしれません。
そこで
「3年以内でなくなるお店が多いのに、○○年会社を続けるには何か秘訣でもあるんですか?」
「売り上げ達成のために今いるスタッフさん達が毎日努力していることはありますか?」
「去年売り上げ達成した時はどんな感じだったんですか?」
などのフレーズを使って、あなたの仕事に対する意欲も示しながら聞き出しましょう。
自己分析
最後のとっておきのホワイト飲食の見分け方はズバリ自己分析です。
「え、自己分析ってホワイトかどうかの見分け方と関係あるの?」と思ったかもしれません。
しかし自己分析を徹底的にやると、あなたの強みを生かした個性豊かなワンランク上の自己PRが完成します。
すると自然にあなたが地雷求人とはつり合わなくなるのです。さらに年収アップなどのキャリアアップも望めます。
特に飲食業従事者は長時間労働と人手不足で、自身のキャリアを振り返る余裕がありません。そのため準備が不足した状態で転職活動を始めてしまいます。すると再度不本意な会社で働くことになり、また転職活動を始めなければなりません。そうならないためにも、しっかり自己分析をして転職活動をスタートさせましょう。
賢くやる自己分析
とはいえ、
「自己分析ってどうやればいいの?」
「忙しくて時間ないです!」
「自己分析は新卒の時も苦手でした・・・」
という方も多いと思います。
全部自分一人でやろうとするからできないのです。誰か他の人の力を借りて上手に自己分析しましょう。
具体的なやり方を別記事で詳しく解説しています。